経緯
僕が愛用している iMac 21.5-inch, Late 2013 はストレージがHDDモデル。 VirtualBox の仮想マシンを立ち上げるとHDDへのI/O負荷が高まり、結果として I/O がボトルネックになってマシン全体が「処理が重い」状態になってしまいます。 そこで、仮想マシンのイメージファイルを外部USBメモリに保存するようにしたらHDDのI/O負荷が軽減されて高速化できるのではないかと考え、USB 3.0 メモリーを探すことにしました。
USB 3.0 メモリを探す場合に注意すること
目についた安い USB 3.0 メモリーを買えば良いかというとそれは違います。 USB 3.0 は規格上は最大5Gbpsの転送速度が出ますが、あくまでも「規格上」であり、実際のところは製品の実装に依存します。 製品がどれだけの「読込速度」「書込速度」を出せるのか、しっかりと把握した上で購入することが大切です。 特に今回はOSのイメージを保存するためのUSBメモリーの選定ですので、特に速度にこだわる必要があります。
iMac 21.5-inch, Late 2013 HDD の速度
まずは僕の iMac 21.5-inch, Late 2013 の HDD (APPLE HDD HTS541010A9E662) の速度を「AmorphousDiskMark」というベンチマークソフトで4回計測してみたところ、次のような結果でした。
Seq読込速度 | Seq書込速度 | |
---|---|---|
1回目 | 82.15MB/s | 97.31MB/s |
2回目 | 79.39MB/s | 76.40MB/s |
3回目 | 50.82MB/s | 97.59MB/s |
4回目 | 97.42MB/s | 95.57MB/s |
速度にバラつきがありますが、ざっくり言ってしまうと「100MB/s 出ていない」という状況です。
速度の比較対象
次に市販されているストレージがどれくらいの転送速度を実現しているのか、いくつかピックアップして調べてみました。
今回参考にしたのは AKIBA PC Hotline! の「PCゲームは意外とHDDでも速かった?「ゲームとHDD」最新事情をまとめてみた」という2017年3月の記事と、「安価なSSDでもSATA最高クラスの速度が出る時代に、Plextorのバリューモデル「S3」をテスト」という2017年6月の記事。 この記事の中では次のような結果になっています。
タイプ | 製品 | Seq読込速度 | Seq書込速度 |
---|---|---|---|
HDD | Seagate ST4000DM005 (4TB) | 197.6MB/s | 188.3MB/s |
SSD | Intel SSD 540s SSDSC2KW480H6X1 (480GB) | 507.1MB/s | 434.7MB/s |
SSD | Plextor PX-512S3C | 523.0MB/s | 489.9MB/s |
なるほど、400MB/s 〜 550MB/s に近い速度が出れば内蔵型SSDと同等の速さと言えそうです。
安値の USB 3.0 メモリーの速度は?
それでは安値の USB 3.0 メモリーの速度はどうでしょうか? 今回は OS イメージが格納できるサイズの USB メモリーを探しているため、Amazon で 128MB の USB 3.0 メモリーを価格の安い順に並べ、安いメモリーの速度を調査してみました。 ベンチマーク速度は、製品レビューに貼り付けられてあるベンチマーク結果や購入者のブログを参考にしました。 その結果は次のようなものでした。
製品 | 価格 | Seq読込速度 | Seq書込速度 |
---|---|---|---|
SanDisk SDCZ48-128G | ¥4,195 | 107.6MB/s | 28.52MB/s |
シリコンパワー SP128GBUF3B02V1K | ¥6,460 | 148.9MB/s | 33.13MB/s |
Transcend JetFlash 730 (128GB) | ¥6,580 | 128.2MB/s | 97.33MB/s |
このように、安価な USB 3.0 メモリーを購入しても性能の向上は見込めなさそうだということがわかりました。 SSD の速度には全然追いつけません。
高速な USB 3.0 メモリー
さて、それでは本題。 2018年現在で手に入る高速な USB 3.0 メモリーを探してみます。 「高速」をうたっている各社 USB メモリーを探し、同様にベンチマークを比較してみました。 メモリのサイズは全て128GBです。
製品 | 価格 | Seq読込速度 | Seq書込速度 |
---|---|---|---|
Transcend JetFlash 780 | ¥9,980 | 最大210MB/s | 最大140MB/s |
I/Oデータ U3-MAX128G | ¥10,383 | 最大220MB/s | 最大135MB/s |
Kingston HXS3/128GB | ¥10,714 | 最大350MB/s | 最大250MB/s |
SanDisk SDCZ880-128G-J57 | ¥8,908 | 最大420MB/s | 最大380MB/s |
高速なUSBメモリを探してみると製品がとても絞られることが分かりました。 上の結果からもわかる通り、SanDisk の製品がぶっちぎり高速で、しかしながら金額は他の製品よりも安くなっていました。 内蔵型SSDには及びませんが、HDDに比べれば高速だと言えるでしょう。
今回調査していて分かったのですが、「高速」をうたっている USB メモリーの製品はそれが特徴なだけに、公式サイトに最大速度がしっかりと記載されていますが、速度を特徴としない場合は「転送速度はホストのハードウェア、ソフトウェア、使用方法等によって異なる」などと記載されており、全く記載されていない傾向にあることがわかりました。
ポチりました
以上の調査結果から、最大の速度をうたっている SanDisk SDCZ880-128G-J57 を Amazon でポチりました! 届くのが楽しみです! 余裕があれば製品レビューの記事を後日書きたいと思います。