OSCAの技術ブログ

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日本ディープラーニング協会「G検定(ジェネラリスト検定) 2019#1」に合格した

03月09日(土)に実施された、日本ディープラーニング協会の認定資格「G検定 (ジェネラリスト検定」に合格しましたので、G検定について振り返りたいと思います。

1. 日本ディープラーニング協会の検定の種類

 日本ディープラーニング協会が提供している検定は「G検定 (ジェネラリスト)」と「E検定 (エンジニア)」の2種類があります。

種類 認定内容
G検定 ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材
E検定 ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材

 2019年は、G検定は年3回, E検定は年2回の受験機会があります。

2. G検定の概要

 今回僕が受験したのはG検定で、G検定は自宅のパソコンから受験可能です。 料金は 12,960円 (学生は 5,400円)。 僕の場合は会社が受験費用を出してくれましたが、それなりの出費です。

 試験時間は120分、多肢選択式で226問出題されます。 後述しますが、1問につき30秒で解く必要があります。合格ラインは公表されていませんので、226問中どれくらい解ければ良いのかもわかりません。

3. シラバス

 2019年のG検定の出題範囲は次の通りです。 以下の内容から、どれくらいの割合で出題されるのかは公開されていませんが、法律・時事に関する問題もかなりの割合で出題された印象です。(これについても後述します)

  • 人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
  • 人工知能をめぐる動向
    • 探索・推論、知識表現、機械学習、深層学習
  • 人工知能分野の問題
    • イプロブレム、フレーム問題、弱いAI、強いAI、身体性、シンボルグラウンディング問題、特徴量設計、チューリングテスト、シンギュラリティ
  • 機械学習の具体的手法
    • 表的な手法、データの扱い、応用
  • ディープラーニングの概要
    • ニューラルネットワークとディープラーニング、既存のニューラルネットワークにおける問題、ディープラーニングのアプローチ、CPU と GPU
    • ディープラーニングにおけるデータ量
  • ディープラーニングの手法
    • 活性化関数、学習率の最適化、更なるテクニック、CNN、RNN
    • 深層強化学習、深層生成モデル
  • ディープラーニングの研究分野
    • 画像認識、自然言語処理、音声処理、ロボティクス (強化学習)、マルチモーダル
  • ディープラーニングの応用に向けて
    • 産業への応用、法律、倫理、現行の議論

4. 学習方法

 受験を通して感じた学習方法についてまとめます。

4-1. 参考書

 参考書としては、G検定公式テキストを購入して学習するのが良いでしょう。 僕はこれ一冊で試験に臨みました。 この公式テキストですが「こんなに分かりやすく説明されている書籍は今まであっただろうか!」と感心するくらい、各技術について素晴らしく簡潔にまとめられています。 受験しない人にも勧めたいくらいです。 しかし受験後に気づいたのですが、この公式テキストは1年前の試験のシラバスに準拠したテキストでした。 (=これから受験する試験のシラバス準拠ではない) この点は注意が必要です。 後述しますが時事問題・法律問題は、このテキストをやるだけでは不十分で、実際にほとんど解けませんでした。

深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト

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 Twitterで受験者の声を見てみると、公式テキスト以外に「AI白書を読んでいたことが良かった」という声がありました。 確かに、時事問題・法律問題は公式テキストをやっただけでは解けなかったので、この「AI白書」が有効なのかもしれません。

AI白書 2019

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 また勉強の仕上げとして「G検定 問題集」もやっておけば良かったと後で思いました。 「公式テキスト」に記載されているのとは別の表現での質問に慣れておくことが必要だと思いました。

徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト 問題集 徹底攻略シリーズ

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4-2. 参考書以外

 実際に受験してみて「うわぁ〜、これはまずい」と思ったのが、公式テキストなどに掲載されていない時事問題・法令問題でした。 これから受験される方は、上記の「AI白書」を読むのに加え、次のような対策をしておくと安心できると思います。 僕はこの時事問題・法律問題に悩まされ「こりゃ受からないわ」と思ってしまいました。 特に「2019年に改正される・・・」などと、「えっ、これから施行される法律まで出るの!」と、受験中に驚かされました。

  • 直近1〜2年の時事ニュースなどをチェックしておくこと
  • 直近1〜2年の法律・法令もチェックしておくこと、特に未来に施行される法律の概要は知っておいた方が良い
  • IoT, クラウドサーバー の質問も少しだけ出題される、機械学習するためのデータの収集・蓄積・情報転送の部分について知っておいた方が良い

5. 当日の準備

 前述の通り、受験は自宅のコンピュータから可能ですので、ご自身がリラックスして試験に集中できる環境を作っておきましょう。 僕は次のような環境を作りました。

  • トイレを済ませておく
  • クッションを抱っこできるように準備した
  • イヤホンでテンションが上がる音楽を爆音にした (Armin Van Buuren のライブ音源聴いた)
  • 0歳の子供の泣き声をシャットアウトした (試験の途中から寝てくれた)

 また、いつでも参考書や文献を参照できるように準備しました。

  • 手元に参考書(公式テキスト)を用意しておいた
  • 検索性を高めるため Evernote のノートも開いておいた
  • サブマシーンとして iPad で Evernote のノートを開いておいた (けど使わなかった)

6. 受験中の工夫

 心を落ち着かせたら、自ら試験をスタートさせます。 画面には残り時間が表示されますので、その時間を目安に問題を解いていきます。

 最初は1問ずつ慎重にGoogle検索していたのですが、あっという間に残り時間がなくなっていくのが分かります。 1問につき30秒以内に回答しないと全問解くことが難しいので、あまりGoogle検索している時間はありません。

 わからない問題をGoogle検索する際のポイントとしては、検索して検索結果に表示されたらOK。 検索結果から個別のページに辿って記事を読む時間はないので、検索結果に表示されなければ後回しにするような戦略をとりました。

7. 結果発表

 試験の結果は1週間以内にメールで通知されるとのことでした。 全く受かる自信もありませんでしたが、試験から6日後の14日に「合格」と書かれたメールを受け取ることができました。 今後は合格証と合格認定ロゴが別途送られてくるとのことです。

8. まとめ

 何はともあれ、G検定 (ジェネラリスト検定)に合格することができました。 年々問題が難しくなっているという声も見かけますので、AI技術者を目指す人はぜひ早めに着手してみてください。

 話は違いますが、僕が主催する「WEBエンジニア勉強会 #12」は03月29日(土)に渋谷で開催です。 お時間がある方は、ぜひいらして下さい。 今回も広いテーマで話を聞ける会になりそうです。

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OSCA

初級WEBプログラマー。 Java, PHP を利用したアプリケーションを開発しています。 写真も好きで一眼レフを持って散歩するのが好き。

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